会社の春の風物詩
どこの会社でもあることかも知れないが、2月、4月でいきなり消える社員がいる。
と言っても、もちろん存在はしてるけど。突然、地方都市へ異動になったり関連施設へ赴任させられたり。
忽然と姿を消す。これを神隠しと言う。(いや、誰も言ってません)これが毎年おこる。消えた人のことは聞きづらい。何があったからそうなったのだろうけど、触れることが何となくタブーとされる。
少し前までは上司も、その人達のことを良く言っていたような・・・何があったのかわからない。
表だって噂も広がらないのは、上司も含め役員連中が目を光らせて、人事話はさせないという暗黙の了解があるからなのだろう。
突然、消える人達
消えた人を見ていると上司と反りが合わない人たちだと、その後に気づく。
仕事はきっちりやっていても、やたらロジカルに話を詰め寄る人とか。自分の世界観が強すぎて、部署としての空気感を読めない人とか
仕事以外にトラブルを抱えていて、ちょっと危なっかしい人とか。
だかこそ守ってあげる必要があるんじゃないかと思うような人が、忽然と消える。どうやらこの神隠しの慣習は、一部の部署に限ってのことでないみたいだ。
なので、それに気づいた人間は上司に対して色目を使うようになる。
全く仕事ができないにもかかわらず、上司に対してYESしか言わない人間は神隠しに合わない。ある時、上司に言われて言葉が強烈に記憶に残っている。
「定年まで働きたいんだろ」実は、その言葉を発せられる前、上司に対して意見を繰り返し主張していた。どう考えても私の意見が正しいように思えたが、社内政治的な都合で私の意見は押し潰された。
そして、その時の上司の言葉が「定年まで働きたいんだろ」だった。
その後の私は、正直、上司に意見を言えなくなっている。意見どころかコミュニケーションを取ることさえ心が拒否するようになった。サラリーマンとして生きるなら日常の出来事なのかも知れない。
神隠しにあう前に
間違っているとわかっていることでも、改善できることがあっても何も言わなくなってしまう。
ただ毎日が過ぎ去って欲しい。そう思う日々が続く。この先私自身が神隠しにあうのかどうかわからない。正直どちらでも構わない。東京で仕事を続けるには、自分の力だけでは、どうにもならない。
東京で生き抜く作法が必要。地方移住の意志を固めていること、そのための準備を着々と進めていることは社内の人間は誰も知らない。神隠しにあう前に自分から神隠し、しようと思う。
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